私の母の妹はカナダにお嫁に行った。

 

カナダの航空会社に勤める日本人と結婚したのだ。

 

 

だから、私のいとこは日系2世のカナダ人になる。

 

姉がミリちゃん、弟はドゥー君だ。

 

 

 

おじさんが勤めていた航空会社、

 

当時は3親等までは乗り放題だった。

 

だから一家は、タイ料理が食べたければタイに行き、

 

海で泳ぎたければグアムに行く。

 

そんな生活が許されていた。

 

 

 

州立大学を卒業したものの、不景気のカナダで就職を探すのは難しく、

 

とりあえずミリちゃん、日本に就労生としてやって来て、

 

東京都下の市役所に3年間の契約で勤務していた。

 

 

最初のうちは、気むずかしくて神経質な性格が災いして

 

お友達を作るのも難しく、うちによく遊びに来ていたのだけど、

 

2年目くらいに福生の基地の将校さんと付き合い始めた。

 

彼女にとっては初めての恋だって、弟のドゥー君は言ってたけど、

 

本当にそうだったのかも知れない。

 

 

彼に会って欲しいと言われて何度かあったけど、

 

うちの両親がいる時はともかく、

 

いない時はプライドの高い嫌なヤツだった。

 

日本にいるのに基地から出ず、日本を知ろうともしない。

 

そのくせ、日本の刀を集めたりして・・・。

 

 

まあいいや。

 

 

 

付き合って一年経つか立たないかでミリちゃんはソイツと結婚した。

 

一緒に暮らせるだけで幸せって言ってたミリちゃん

 

私が見たところでは本当に幸せそうだった。

 

 

 

聞くところによると彼の妹はベトナム戦争の孤児で、

 

分け隔てなく育てた彼の両親は、良く出来た人達だったようだ。

 

 

 

結婚して1年くらい経った頃に彼の父親が急死して、

 

彼は退役し、ミリちゃんを連れてアメリカに帰ってしまった。

 

最初に住んだテキサス州で男の子が産まれた。

 

その後1年くらいで、家を買って引っ越し、


今度は女の子が生まれた。



 

彼女から来る手紙は、家をリフォームしていますとか

 

料理の勉強をしていますとか、

 

生まれた男の子に日本語教育をしていますとか、

 

どれも幸せそうなものだった。

 

 

 

ところがある日突然、、ミリちゃんが大変な事になってるらしいって

 

私の母から聞いて驚いた。

 

 

 

つづく・・・